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白雪姫にくちづけを
第27章 忘却のカケラ
*** *** ***
部屋に戻ると、寝床の準備が整っていた。
二組の布団が隣り合い、その枕元には間接照明が柔らかな光を灯している。
(う、うわぁ///…)
和室の寝室は独特な色気を醸し出していて、一気に艶やかな気分を盛り立てる。
『…あずさ、目、瞑って?』
部屋のふすま前で立ち止まっていたあずさに、そっと告げる。浩巳は彼女の手を取り、部屋へと入った。
『ゆっくり座って。まだ開けちゃダメだよ?』
あずさは布団の上に座る。
すると少し離れた場所で、ガサガサと何かを探るような音が聞こえた。
『…浩巳?』
ギュッギュッ
布団を踏む音が近づき、彼が戻ってきたことを察する。
『よし。お待たせ。開けていいよ…』
ぱち…
『誕生日、おめでとう。』
『…あ!これっ//』