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白雪姫にくちづけを
第6章 悩めるオトメ•ン
『それでさ、例の幼なじみとは進展あったの?』
『ちょっっ!!』
午前中の講義を終え、4人は中庭で昼食をとっていた。
あずさが、ちょうどヨネムラのメロンパンに大口でかぶりついた瞬間、ぶしつけな質問が飛んできた。
ニヤつく梨々子の首に腕をまわし、あずさはグッと力を込める。
『ちょっと!この話は女同士の時にしてよ。』
『あ、ごめんごめん。』
『幼なじみって?』
『あずさちゃん、昔この近くに住んでて、その時の友達に久しぶりに再会したんだって。』
『へー。』
梨々子に釘をさしている背後で、芽衣があっさり、カズヤに漏らしていた。
(あのね…。芽衣ちゃんてば天然なんだから…。)
『年下らしーんだけど、なかなかのイケメンで、会ったその日に…』
!!
『会ったその日に!ご家族と夕飯を食べた──って話なんだ!!』
(まさかキスしたなんて言わせないからね!)
大慌てで言葉をかぶせ、芽衣の脇に軽くチョップを入れる。
はうっ!と声を漏らした所で、芽衣も大人しくなった。
(2人とも、口が軽いんだから…!
相談する相手、間違ったかな?)
『仲良しなんだな、ご家族にまで会うなんて。』
『うん、まぁ昔は毎日一緒だったから!
でもそれきり会ってないし、向こうも高校生だから、時間も合わなくて…』
(あ、墓穴//)
『ふーん、高校生なんだ。』
『まぁね…』
(結局、大まかに話しちゃったけど、少なくともカズヤは人に勝手に喋るタイプには見えないし。キスの話もごまかせたから、いいけど…
でも、思い出しちゃったな…またあの時のこと。)
この後、話題は変わったのだが、あずさは殆ど右から左な状況で、ずっとため息ばかりついていた。
そして久々に、午後の講義に集中できなかった。