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白雪姫にくちづけを
第6章 悩めるオトメ•ン
あずさはこの2ヶ月、毎日 浩巳のことを思い出していた。
───あの日、
玄関前まで送ってくれた浩巳にお礼を述べたが、「あぁ。」のひとつ返事だけ残して彼は帰ってしまった。
(せっかく再会して打ち解けたのに…)
後味の悪いままになってしまい、何とかもう一度会えないかと思いながらも、手詰まりだった。
(突然、家に行くのも変だし。
意外と駅やスーパーでも見かけないしなぁ。)
なるべく考えないようにしているが、気づけば浩巳のことばかり思い浮かんでしまう。
(こんなに気になるのは、たぶんキスのせいなんだろうけど…)
───「お前、はじめてなの?」
───「キスくらいで騒ぎすぎ。」
彼の言葉が思い浮かぶ。
(浩巳は、きっと気にしてないんだろうな…)