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白雪姫にくちづけを
第6章 悩めるオトメ•ン
『はあ…』
本日、もう何度目とも分からないため息が空気に溶けた。
『浩巳、メシいこーや。』
気がつくと授業は終わっていたようで、沖田と教室を出た。
『お前、ここ最近ヒドイな。やる気のなさ。』
『やる気はもともと そんなにない。』
(でも確かに、誰かのことで こんなに気を病んだ経験が今までにはない。)
食堂は生徒で溢れかえっていて、手近なパンだけ買って、さっさと教室に戻る。
『そういや、彼女と別れたんだろ?そのせいか?』
『は?彼女?…あー、別にそんなんじゃねーよ。』
(そんなこと、むしろ忘れてた。)
『クールだな、浩巳。彼女と別れても何ともないのかー。いいよな、浩巳はモテるから!おれにも来ないかな、モテ期!!』