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白雪姫にくちづけを
第28章 ひみつの…*
『ハタチまでには頑張ってね?』
あずさの心の内を読んだように、浩巳はニッと目を合わせて微笑んだ。
『う、うん。頑張る///』
(きっと、浩巳にはバレてたんだろうなぁ…スクランブルエッグが卵焼きの失敗作だったって//)
そうして朝食を終えた2人は身支度を整え、宿をチェックアウトした。
*** *** ***
『ふー。』
無事に電車に乗り込むと、浩巳は隣のあずさにコテンと頭を預けた。
『寝る。着いたら起こしてね。』
『うん…//』
至近距離で目を閉じる彼。
そのあどけない寝顔に、あずさは笑みをこぼす。
(男の人だと思ったら、寝顔は少年なんだもんなぁ…)
パチ
(?!///)
眠ったかに思えた彼の瞳が突然開き、バチリと目が合った。
起きるや否や、彼はキョロキョロと辺りを見回し、何かを確認すると…
チュッ
『おやすみ…』
フッといたづらに目を細めて、今度こそ眠りについた。
(……も、もう////)
肩にかかる重み、車窓に反射するニヤけた自分の顔…あずさは、高鳴る鼓動が彼に伝わらないことを願いながら、この旅行での出来事に思いを馳せた。
(素敵な誕生日だったなぁ…///)
その満たされた時間は、何度振り返っても彼女を飽きさせることがない。
行きの道中とは一変し、あずさは一度も睡魔に襲われることなく、帰路についたのだった。
ガタンゴトン…