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白雪姫にくちづけを
第29章 彼女の涙腺
*** *** ***
翌日の夕方。
大学の講義も終わり、あずさが夕飯のメニューを考えながら梨々子達と校内を歩いていると…着信が鳴った。
ピリリリリリ…!
画面には、浩巳の母の名前。
(あれ、おばさんだ。どうしたのかな?)
『もしもし、おばさん?』
『あずさちゃん!浩巳が!』
受話器の向こうから、緊迫した浩巳の母の声が響く。
『おばさん?!どうかしたんですか?』
『浩巳、浩巳がっ…!学校の階段から落ちて意識がないの‼︎』
────!!
それは、浩巳の非常事態を告げる知らせだった。