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白雪姫にくちづけを
第6章 悩めるオトメ•ン
(せめてケータイの番号を聞いとくんだった…)
あれからあずさのことが気になって、何度も会いに行こうか迷っていた。
母さんに聞けば、連絡先くらい簡単に分かるが、あの母親のことだ…聞いた後が面倒なことになるのは目に見えてる。
…実際、会ってどうするのかは分からない。
きっと、あずさはキスのことを良く思っていないだろうし、恨んでいるかもしれない。
そもそも、あのキスの意味は、自分にもよく分かっていない。
(あずさを見つめてたら体が勝手に動いてた…んだけど、そんなの理由にならないよな…)
───「浩巳の初恋の君」───
母が言っていた通り、確かに、おさなごころに あずさを好きだった記憶はある。
…だからといって、今、異性として好きな訳じゃない。
(なんせ12年ぶりに会ったばかりなんだし。)