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白雪姫にくちづけを
第30章 彼の存在
……………白い。
ここはどこだ?
浩巳は、辺り一面、白い景色に覆われていた。
「___」
「___」
なんだ、声?
誰かいる。あれは………子供?
「え、あずちゃん、とおくにいくの?」
白くボヤけてよく見えない。
でもそこには 子供が2人、いる。
「そう、パパのてんきんだって。
明日、引越しなの。
だから、もう会えないんだ…」
これは、、、おれ達か。
昔の記憶?…あずさが引越す前日なのか。
おれは夢を、見てるのか…?
「ひろみくんに会えなくなるの、寂しいよ。」
声しか聞こえない…何で視界がこんなに白いんだ。
「なかないでよ、あずちゃん。」
……やっぱり、あずさは泣いていたのか?
思い出せない………
「ねぇ 、ぼくと___しようよ!」
───?
聞こえない。今の言葉は何だ?
「そう。そうしたらね、すきなひととずーっと いっしょに いられるんだって。ママが いってたんだ。」
「あたし、あたしより弱い人とは___しないよ。」
「じゃぁ!ぼく、つよくなるから!」
「それに、大人にならないと___できないんだよ。」
「じゃぁ、ぼく、つよいおとなになる!」
「本当に?」
「ほんとうだよ!
おとなになったら、ずっと いっしょだよ!さみしくないね!」
「……うん、寂しくないね。」
「じゃあ、やくそく!」
………何を、約束したんだった?
いや、覚えてる…
覚えてるはずなのに…
モヤが消えない。
思い出せ、分かってる…
答えはもう、分かってる…
そうだ、たしか─────