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白雪姫にくちづけを
第30章 彼の存在
(ん……天井?)
浩巳が目を開けると、そこは見慣れぬ景色。
(痛っつ……?!)
起きあがろうとした途端、後頭部に痛みを感じる。
(点滴?!……あぁそうか。)
痛みを感じた部分へ手を伸ばそうとすると、自分が点滴を受けている事実に気づく。
そこでようやく、事が理解できた。
(そうか、階段から落ちて…ここは病院か。)
ガラッ
『あ!浩巳、起きたの?!』
その声に、母が入ってきたことが分かる。
『どう?痛む?』
『ん、頭いたい。』
『ふふ。安心して。ただのタンコブだって!』
『///あっそ。悪かったな、驚かせて。』
『ほんとよ〜!母さん、浩巳が死んじゃったらどうしようかと思ったじゃない!』
そう明るい声を出して、母は浩巳の布団を叩く。
『おい、仮にも頭打った息子を叩くなよ。』
『もーだって!意識はないわ、おまけに制服があんな血だらけじゃ、気も動転しちゃうじゃない!!本当に心配したんだからっ!』
(血?あー…沖田の鼻血か。)