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白雪姫にくちづけを
第31章 約束の花
『おれと、結婚してください。』
『…!!』
目の前に差し出されたのは、紛れもない彼からの愛のしるし。
あずさは口元に両手を当てて、ただただ息を呑む。
『…あずさより力は強くなったし?』
表情を緩ませ、浩巳はゆっくりと言葉を紡ぐ。
『成人も、した。』
───「ぼく、つよいおとなになる!だからケッコンして!」───
『…ふふ』
浩巳からの二度目のプロポーズ。
あずさは柔らかく彼を見上げた。
『…はい、お願いします。』
絡む視線に微笑みを返し…
彼は彼女の薬指に、そっとキスを落とした。
チュ…
そして、夕日を浴びてキラキラと輝く誓いのリングを滑らせる。
『わ…ピッタリ!』
『よかった…!』
緊張から解かれたように、浩巳は大きく息をはいて、あずさをぎゅっと抱きしめた。