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白雪姫にくちづけを
第32章 番外編


言葉が出ないなら指差しで!
そう思った私は迷わず選択しました。
ビシィィッ…!
『じゃあこれにします。一緒に選んでくれて、ありがとうございます。』


……なんてことを。レジに向かう彼女さん。私の手には選ばれなかった、リンゴ型付きレシピ本。
(こんな嫌がらせみたいな…彼女さんに本当のこと、言えなかった。)


私は帰り際、その本を購入しました。


*** *** ***


2/13 バレンタイン前日。


今日は久々の遠藤さんとのシフトです。
明日は遠藤さんはお休みなので、バレンタインをするのは今日です。
…あ、ちなみに皆さんにするんですよ?遠藤さんにだけ、とかじゃないです!店長にだって、他の男性スタッフにも、もちろん!


帰り際。
『お疲れさまでした。』
『遠藤さんッッ!』
お、思い切り勇気を出しましたので、とてつもなく大声になりました///。
『ん、何?』
『あ…ああのっ…!一日早いのですが、バレンタインです!いつもありがとうございますっ!』
『ああ、どうも。』
紙袋の中身、特に見ずに遠藤さんは帰ろうとします。


『あ、あの…!』
『?』
『良かったらそれ、彼女さんと食べてください。先日来店された時に、美味しそうですねってお話したスイーツが入っていますので…』
『あずさが?ん、分かった。ありがとう。』
遠藤さんは帰っていきました。
私の手作りマドレーヌを持って。


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