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白雪姫にくちづけを
第32章 番外編
*** *** ***
『それで?ジュエリーショップ行って撃沈してきたって?』
ゼミの時間を終え、沖田とファストフード店へ入った浩巳。
彼らはエスカレーター式の高校に通っていたので、高校時代の友人は、殆ど同じ大学に進学している。
沖田もその一人。相変わらず2人は、よくつるんでいた。
『あんなに種類があるとは思わなかったんだよ…』
昼にあずさと別れた後、彼は一目散にジュエリーショップへ駆け込んだ。実は、勢いのままエンゲージリングを購入する気だったのだが…あまりの種類の多さに圧倒され、何もせずに大人しく大学へ来ていた。
『あずさちゃん、すげー可愛いもんな!こないだ会った時もさ、大人の魅力?増してたってゆーか…』
そこまで言って、ようやく浩巳の剣幕に気づいた沖田は、慌てて話を戻す。
『あ、いやだから!職場の先輩に彼女が告られたからって、急いでプロポーズしなくてもいいんじゃねーの?』
『………。』
『そもそも来年する予定だったんだろ?いいじゃん。もうちょっと待てばさ。』
大学卒業を機に、プロポーズする気でいた浩巳。しかし、昼にあずさの話を聞いてから、いてもたってもいられない心境になっていた。
『大体、卒業してからプロポーズも早いと思うけどな。おれなんか、結婚なんて全然想像できねーもん。』
(…やっぱダメだ。これ以上、変な男が寄ってくる前に、婚約済って印つけたい。貯金は、ある。あとは…指輪のデザインか…これは全く、分かんね。)
…お気づきでしょうが、既に沖田の話は浩巳に届いてません。笑
★小言②
『浩巳はいいなー。運命の相手いてさ。おれは彼女とケンカばっかだよ…』