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白雪姫にくちづけを
第7章 パン屋“ヨネムラ”
カパッ
『ほらな。』
『えぇーーー!』
あずさが浩巳につきつけた挑戦とは…
ジャム缶を開けることだった。
二人掛けソファに座る あずさは、悔しさを滲ませて、突っ伏した。
『ある日突然、開かなくなってさ。
すっごぃ硬かったのに…流石は男の子だね。』
『はっはっは。あずさ、勝者に茶ーいれて。』
『くやしー!』
あずさは 床にあぐらをかいていた浩巳に、ソファを追い出される。
(でも…待てよ。あたしが散々、開けようとしてきたから、浩巳が触った時にはもうフタは緩んでたんじゃないの?!
浩巳は簡単に開けちゃったし、きっと、そうだ!)
『おにーさん、もう一本勝負しようよ。』
お茶を差出しながら、あずさはグイッと顔を近づけた。
『なに、まだ他に缶あんの?』
『う、で、ず、も、う!』
『…そんなに、おれの勝利が納得いかない訳?』
浩巳はお茶を一気に飲み干した。
テーブルに向き合って、右手を組む。
(浩巳の手、大きい……じゃあなくてっ//!
負けないんだからねっっ!)
『レディー…ゴォ!』
バチン!
『はっはっは!』
『…まだまだっっ!』