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白雪姫にくちづけを
第32章 番外編


*** *** ***

『小泉さん!本当にありがとう!』


小泉から報告を受けた浩巳は、直角に体を曲げて、頭を下げていた。


───先日、ケーキカフェにて。
あずさと打ち解けた小泉は、自分が今、ハマっている本を幾つか彼女に紹介した。その内の一つ、結婚情報誌に、あずさを釘付けにさせる。


『小泉さん、もしかしてご結婚されるんですか?』
『いえいえ。ただの憧れで眺めてるだけです。彼氏もいないのに、イタイですよね…』
『そんなことないですよ…!気持ち、すごくよく分かります!女なら、結婚は憧れですよね。』


そうしてうまく、あずさと結婚についての話題を繰り広げたのだった───


『あずささんは本当に素直な方だったので…お話するのが楽しかったです。結婚式にやってみたいこととか、どんなドレスが着てみたいとか、色々話してくれましたよ。』


小泉は、いくつか付箋を張った結婚情報誌を浩巳に渡す。


『あずささんの気になってるリングです。あとはお予算と、遠藤さんのセンスで選んであげてください。』


『小泉さん!本当に本当に助かりました!お礼は何でもします!何か欲しいものとか、ありますか?』


浩巳は興奮した表情を小泉に向ける。


『お礼なんて…気にしないでください。』


『そんな訳にはっ…!ここまで無理言ったんだから、遠慮せずに小泉さんも言ってください。…あ、ゆっくり考えてくれて構いませんよ。』


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