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白雪姫にくちづけを
第9章 きっかけ


*** *** ***


『え、あずさちゃんバイトなの?』


木曜日、食堂で昼食をとる3人。
あずさから土曜の予定を聞いた芽衣は、ガッカリしながら手作り弁当を頬張った。


『うん。芽衣ちゃんはサークルで、りっちゃんはデートなんでしょ?だから土曜はバイト入れちゃった。』


パスタをくるくる巻きつける あずさの言葉を受けて、


『祭りの日、芽衣のサークルで出し物やるんだってさ。』


梨々子がラーメンに息を吹きかけながら喋る。


『そうなの?何時ごろ?』


『15時~ 一時間くらい。せっかくだから、2人にも観に来て欲しいなって思ったんだけど…』


『ウチは彼氏と祭りに行くから、一緒に観に行くよ。』


そう答えながら、芽衣の弁当から そっと卵焼きを抜き取る梨々子。


『あたしはバイト終わってからだから…途中には間に合うと思う。出し物って、何するの?』


『子供向けの演劇だよ!楽しみにしてて♪』


梨々子のチャーシューを奪った芽衣が、ニッコリ笑った。


『あ!も〜…
ところで、芽衣って演劇サークルだった?』


『ううん。合気道だけど?』


…よく分からない流れのまま、あずさは少しだけ、祭りを覗きに行くことにした。


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