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白雪姫にくちづけを
第10章 土曜日


『遠藤くん!本当に助かったよ。今日は無理言って悪かったね。』


『いえ、お先に失礼します。』


バイトを終え、言葉少なに本屋を出た浩巳は、向かいのケーキ屋に立寄った。


『ショートケーキ2つ。』


『はい、ありがとうございます。以上でよろしいですか?』


浩巳のバイト先である本屋は、あずさのアパートからほど近い。


(一旦家に帰ってもいいけど、かえって遠くなるし、このまま行ったらマズイかな?)


あずさが夕飯の支度をする姿を思い浮かべ、わずかに笑顔をこぼしながら歩く。


(バイトは終わってるはずだし、電話しようかな…)


浩巳が発信ボタンを押すと、意外にも、すぐ近くで誰かの着信音が響いた…ような気がした。


『あれ、浩巳?どうしたの?』


『もう家近いから行っていいかと思って…』


(ん?てゆーか、話し声が近づいてきてないか?)


『そうなの?イィけど…まだこれから支度するから…あれ??』


目の前に、駅方面から歩いてきたあずさが現れた。


…なぜか、この間の男と一緒に。


『………。』


『浩巳っ!どうしたの、結構早いね!
あ、もしかして、今日バイトだったの?』


ピ。


繋がった携帯を切って、浩巳はあからさまに不機嫌に口を開く。


『誰?』


ただならぬ殺気のような空気を感じて、カズヤは自己紹介した。


『おれはあずさと同じ学部の和宮。ついでにアパートも一緒だけど。…あずさ、彼が噂の幼なじみくんか?』


(「あずさ」って…何で呼び捨てだよ。)


『や…もう、噂なんかないでしょ?!変なコト言わないでよね、カズヤ!ごめんね浩巳、気にしないでね。』


(「カズヤ」も呼び捨て…。)


『んじゃーおれ先いくわ。あずさ、またな。』


『うん、バイバイ!浩巳、部屋いこ?』


『………。』


浩巳は顔をしかめたまま、うつむいて部屋までついて行った。


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