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白雪姫にくちづけを
第11章 接近
食後のケーキを食べ終えたところで、浩巳はソファにもたれかかった。
『ごちそうさま!腹いっぱい!』
『ふふ。私もごちそうさま。』
食器を流しに片付け、あずさはお茶を入れた。
『ねぇ、コレ開けてみて。』
浩巳の隣に腰かけながら、あずさは今日、ガラス細工の店で買った包みを手渡した。
『これ、ブレスレット?』
『そう。キレーでしょ、このガラス。
さっき話した、芽衣ちゃんの演劇を見る前に見つけて買ったの。あたしはネックレスにしたんだ…ホラ!』
包みを開けて、ネックレスを見せたところで、あずさはハッと気づいた。
『…これ、おれにくれるの?』
『う、うん…そのつもりだったんだけど…
こんなの趣味じゃないよね!』
あずさは急いで浩巳の手からブレスレットを奪った。
(あたし、無意識で浩巳の分を選んで来たんだけど…よく考えたら変だよね?!)
ガラス玉は似た柄になっていて、それぞれが色違いになっている。
『友達や恋人とお揃いで持つ人もいるって聞いて…何となく2つ買っちゃって…』
(お店の人に言われたからって、なんであたし、浩巳に選んだんだろ。)
『おれに買ってくれたんでしょ?欲しい。』
『え…』
『ほら、似合う?』
あずさの手から素早く奪い返し、浩巳は左手にブレスレットをはめて言った。