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白雪姫にくちづけを
第2章 再会*~第1部~
『ねぇ、すっごく感じちゃった。
浩巳も良かったでしょ?』
『………。』
(…はぁ、もうこんな時間か。)
背を向け、身なりを整える浩巳は大きなため息を漏らす。
『ねぇってば。聞こえてるでしょ?
別れるなんて言わないでさ、あたし、浩巳のこと好きだもん。』
(まぁ今からまっすぐ帰れば、いい頃か。寄り道しなきゃ、間に合うな。)
『ねぇって!』
視線も合わせず黙ったまま。そんな素振りに苛立った彼女は、浩巳の制服を引っ張った。
『…服着ろよ。』
乱れた彼女の制服姿が目に入り、彼はため息と共に離れる。
『帰る気?まだ話終わってないよ。 私、別れないから。』
『最後だから抱けって言ったのお前だろ。話は終わりだ。』
『だって、納得できない!』
『しつこいのは嫌いだって。おれ、用あるから。』
涙ぐむ彼女を残して、浩巳は足早に理科室を出た。