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白雪姫にくちづけを
第2章 再会*~第1部~
───時は5時間ほど遡り、正午。
(わぁ!懐かしい!)
改札を出た あずさは、12年ぶりの帰郷に心躍らせていた。
(何となくだけど、見覚えあるなぁ)
『えぇ~っと、アパートは…こっちね。』
地図を片手に歩き出したものの、香ばしい匂いに誘われ、あずさは3歩で立ち止まる。
駅隣には、老舗のパン屋があった。
(お昼はコレだな~♪)
カランカラン
『いらっしゃいませー』
あずさがこの春入学する大学は、生まれ故郷の近くにある。
幼い頃に引越して以来、この地に来ることはなかったが、今日から一人暮らしを始めることになったのだった。
カランカラン
『ありがとうございましたー』
(さて、これから荷物を受取って…
夕方にはお食事会だな。
浩巳くん、元気にしてるかなぁ?)