この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
白雪姫にくちづけを
第11章 接近


ピンポーン


『『!!!』』


2人は同時に体を硬直させた。


玄関からは、涙を含んだ女性の声がする。


『あずさ、いる?…ウチ…ぐす。』


『まさか、りっちゃん?』


浩巳の腕から慌てて抜け出し、扉をあけた。


『りっちゃん!どうしたの?!なんで泣いてるの?!』


『うえ~~!!』


梨々子は声をあげて あずさに飛びついた。


ただならぬ様子の展開となり、浩巳は部屋を出ることにした。


『あずさ、友達?入ってもらいなよ。おれ、帰るからさ。』


『え、あ…』


泣きつく梨々子の背中をさすりながら、あずさがうろたえていると


『ぐす…!ごめん、あずさ!てっきり1人かと思ってて…』


『大丈夫です、もう帰る所だったので。じゃ。』


『あ!待って浩巳!』


脇をすり抜けて帰ろうとする浩巳を、あずさは引き止めた。


『りっちゃん、とにかく、部屋に入ってて?ゆっくり話きくから。その前に、ちょっと見送りだけさせてね?』


梨々子をなだめ、部屋に入れると、キッチンに用意しておいた袋を持って、あずさは浩巳と部屋を出た。


『ごめんね、なんか突然こんな…追い出すみたいになっちゃって…』


『いいよ、下まで送ってくれてありがとう。
もう、戻ってあげなよ。』


少し照れくさい雰囲気ながら、後ろ髪を引かれるような気持ちで2人は話す。


『あとこれ…お母さんが野菜、たくさん送ってくれて。1人じゃ食べきれないから、持って帰って?』


『あぁ、ありがとう。』


袋を渡す手が僅かに触れあい、2人の頬を淡く染める。


『じゃあ、今日はごちそうさま。
コレも、ありがとう。…おやすみ。』


『あたしこそ、ありがとう。気をつけてね…おやすみ。』


ブレスレットをつけた左手と、絆創膏のついた左手をゆっくりと上げ、2人は別れたのだった。


/286ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ