この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
白雪姫にくちづけを
第12章 募る想い


…カチ


教科書をめくる左手が、机の端に当たって小さく鳴る。


音を立てたのは、一粒のガラス玉。


(…今、何してるのかな?)


吸いこまれそうな程、透明で美しいガラス玉に目を奪われ、ふと、会えない彼女の姿を思う。


頬を染めて、うつむく横顔が忘れられない。




───「あずさ、おれ…」───




あの時、無意識に発した言葉。


(何を言おうとしたのか…
いや。果たして言って、よかったのか…


もしあのまま、2人きりでいたら………)




















腕に包んだ、彼女の感触。


細いウエスト。
背中の体温。
かすかな、香り。

















公園で見つめ合った、あの瞳。


そして重ねた、あの───




















ガチャン!



















床に落ちたシャーペン。


(だめだ…ここでも集中できない…!)


浩巳を悩ませているのは、もちろん、あずさの存在。


(会いたい…けど、今会っても、余計に集中できないだけだ。)


湧きあがる、彼女への想い。
それは、自分から誰かを好きになったことがない浩巳にとって、初めての感情だった。


(こんな気持ち…
どうしていいか、分からない…)


戸惑いの中、浩巳は読書にも勉強にも身が入らない日々を送っていたのだ。



♪ピンポン♪



【浩巳、久しぶり。勉強はかどってる?
良かったら息抜きに、菓子パンどうかな?
今夜バイト帰りに、差入れするね!】


突如、響き渡った着信音。


刃物のように鋭く光る周囲の視線。
しかし彼にはそれに気づく余裕もない。


あずさからのLINEを見るや、浩巳は一目散に図書室を飛び出していた。


/286ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ