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白雪姫にくちづけを
第12章 募る想い
カランカラン
『いらっしゃいま──…浩巳!』
『…うん。』
『あれ、LINE見なかった?今日、差入れしよーかと…』
『ん、読んだ。終わる頃にまた来る。
コレとコレ、用意しといて。』
あずさはポカンとしている。…無理もない。
『で、コレ2つ買っていく。』
おれにも、自分が何をしてるのか、よく分からない。
あずさからのLINEを見たら、無性に顔をみたくなって…
気づけばここに足が向いていたんだから。
『ふふ、もしかして、お腹すかしちゃった?
LINEのタイミング、良くなかったかな?』
あずさは笑っている。
それだけで、来た意味はある気がした。
『はは、そうかも。これ食べたら家で勉強するよ。今日はバイト21時?』
『うん、終わったら家まで持っ…』
『21時に裏で待ってるから。今日送る。
じゃ、後でな。』
“持っていく”と言われる前に言葉をかぶせて、浩巳は足早にヨネムラを出た。