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白雪姫にくちづけを
第14章 通じあう心*
ガチャ
扉を開けると、フワッと風呂上がりの匂いが香る。
『あ、おかえり…』
Tシャツと短パン姿で髪を拭いていた あずさが、振り返る。
彼女もまた、緊張しているのか、顔がこわばっている。
その後ろ姿に、浩巳がそっと腕を回すと、
あずさの肩がピクッと反応した。
『…こわい?おれのことが。』
『ううん…!』
首を横にぶんぶん降る姿が、浩巳をやさしい気持ちにさせる。
彼女を振り向かせ、胸にきゅっと抱きしめた。
『まだ、今なら間に合うよ。…無理、してない?』
濡れた髪をかき分けながら、彼女の目元、頬の輪郭へと指を滑らせる。
唇を指でなぞると、小さく声が漏れた。
『浩巳はあたしとじゃ、嫌……んぅ!』
言葉を紡がせないように、口で塞ぐ。
チュ、チュ、チュパ…
『やな訳ないだろ…』
『ん、ふ…』
チュッ
『後で やっぱ嫌だって言っても、止める自信ないから。』
妖しく微笑んで、あずさから離れた。
『髪、ごめんね。冷えないうちに乾かして。』
ほどなくして、
ドライヤーを当て終えた彼女が 俯きながら歩いてきた。
部屋に差し込む僅かな月明かりだけが
2人の場所を映し出す。
『おいで…』
彼女の手を引き、ベッドの縁に並んで腰かける。
そしてゆっくりと、彼女の身体を組み敷いた。