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白雪姫にくちづけを
第2章 再会*~第1部~
時は戻って、午後5:40頃───
ピッ
自動改札を抜けた浩巳は
いつもの誘惑に3歩で足を止めた。
(腹へった……けど、今日はダメか。)
───「大事なイベントがあるから、
お腹をすかして、まっすぐ帰ってきて」───
今朝、母にクギを刺された言葉が思い起こされる。
何ヶ月も前から、今日の予定を空けておくように しつこく母から言われていたものの…
その理由は、とうとう今日になっても知らされなかった。
(まぁどうせ、母さんのことだ…
大した用じゃないんだろうけどな。腹は空かせとくか…)
パン屋に見切りをつけた浩巳は、ため息を吐きつつ、家路を急いだ。