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白雪姫にくちづけを
第17章 お泊り禁止
『誕生日…えぇ?!』
(じゃあ…さっきの「おめでとう」は、誕生日のお祝いの言葉?!
…………てゆーか…
浩巳の誕生日を今知るって……
………何、コレ。)
『この子、あんまり誕生日なんか気にしないから。今年も忘れてたみたいね?』
笑顔で話すおばさんの様子に脱力しながら、
あずさはふと思う。
(…そっか。つまり、おばさんは私達のこと、何も気づいてないんだよね?
なんだ、あたしが早とちりしただけなんだ!)
『それより、あずさちゃん座って!お茶いれるわね〜♪』
『あ、それなら手伝…』
パシッ
おばさんを追おうとするあずさの腕を、浩巳が掴んだ。
『手伝わなくていい。
もう母さん、全部気づいたよ…座ろう。』
『え、全部って…?』
(あ、あれ?やっぱりバレてるの??
今の会話の…どこをどう取ったらそうなったの??)
カンの冴える者同士。
母と浩巳は、お互いの言動から全てを悟りあった。
(はぁ…失敗した…
誕生日なんか忘れてた。
変に動揺したから…逆にバレた訳だ。
付き合ってることだけじゃない…)
先程、あずさに座るよう促した母は、キッチンのテーブルではなく、テレビ前のソファを指差していた。
(あずさの身体を気遣って…なんだろーな。
さっきの妙な笑い方といい、どう考えてもバレてる…)
浩巳の後悔のため息は絶えぬまま、2人はソファに腰かけた。