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白雪姫にくちづけを
第17章 お泊り禁止
ズズ…
お茶をすする音だけが、リビングに響く。
『えと…浩巳、お誕生日おめでとう。』
『ん…あぁ。』
『んもぉ〜何その反応?!浩巳ってばもぉ〜照れちゃって!』
2人並んだ向かい側に、同じく腰をおろしたおばさんが にこやかに話す。
『…ところで母さん、掃除は?』
不機嫌に浩巳は厳しい目を向ける。
『うふふ、休憩よ♡』
『………。』
静かに火花を散らす親子の様子に、あずさは身を縮めていた。
(なんか…浩巳はトゲトゲした雰囲気だし…
おばさんは、分かっててわざとかわしてるよーな…)
『あずさちゃん。』
『は、はい!』
『浩巳のこと、これからもお願いね。』
『えっ…』
突然の言葉に、あずさはコップを机に置いて、じっとおばさんを見た。
『浩巳は、親の私が言うのもなんだけど、自慢の息子なのよ。』
ニコッと笑う姿が、あずさの心を安心させる。
『優しくて、いい子。
だけど、あまり自分の事は話したがらない子だから…
だからね!あずさちゃんにしか見せない一面がきっとあるわ。
そんな時は、どうか力になってあげてね
(*^^*)』
『は、はい。』
(これって…おつきあいを認めてくれるってことだよね…?)
あずさがほんのり温かい気持ちになっていると…
『それから、2人にはお願いがあります。』
おばさんは少しためらいながら、でも、はっきりと言った。