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白雪姫にくちづけを
第17章 お泊り禁止
玄関まできた浩巳は、あずさを壁に押し当て、くちびるを奪った。
チュチュル…チュピ、
ちろちろ…はぁ…チュ
『明日…講義だっけ、あずさ?』
チュ、チュ…
『はんん…そう…』
チュピッチュル…
『終わる頃、迎え行くな…』
…チュッ!
『じゃ、また明日。』
『う、うん、明日//』
(なんか…17歳になって、急に色気増してない?!)
彼の妖艶な笑みに胸を鳴らせつつ、あずさはふと、あの日のことを思い出す。
(それにしても、浩巳は教えてくれないけど…あの時、おばさんは何て言ったんだろう?)
【これから帰る】
アパートを出た浩巳は、母にメッセージを送った。
あの日を境に、帰りが遅くなる時には
なるべく連絡を入れるようにしている。
(だけど父親ならまだしも…あんなこと言う母親なんて、この世にいるのか?)
───「野暮ついでにあと一つ…
100%じゃないってことを承知の上で、
毎回避妊はするのよ!」────
浩巳は、母に言われた最後の言葉を思い出していた。
(あの母親には一生敵わないな…)
ため息を繰り返し、浩巳は帰路についた。
そんな風に彼に放たれた言葉を…
あずさは当然、知る由もなかった。