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白雪姫にくちづけを
第18章 浩巳の憂鬱
金曜日。
夏休み中にも関わらず、あずさ、梨々子、芽衣の3人は、講義室にいた。
芽衣の勧めで、資格試験受験のための特別講習を受けることにしたからである。
『だぁー夏休みなのに何で学校来なきゃなのー』
休憩時間、梨々子はうなだれるように机に突っ伏した。
『梨々子ちゃんが自分で申込んだんでしょ〜』
この講習を勧めた張本人が、梨々子を眺めながらあくびをする。
『自分で申込んだものの…実際キツイよね〜夏休みの講義…』
2人に続いて弱音を吐いたあずさは、天井を仰ぐように伸びをした。
『──で?順調、彼氏?』
『あずさちゃんの彼、見たーい。』
話題に尽きた2人は、ことあるごとに、浩巳の話を聞いてくる。
(浩巳とつきあえたのは2人のお陰なんだけど…なかなか追求してくるんだよね…)
2人の押しに弱いあずさは、これまで赤裸々な告白を強いられてきた。
(初体験だって話したんだから…これ以上、もうないんだけどな//)