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白雪姫にくちづけを
第18章 浩巳の憂鬱
夏休みといえど、部活やサークル、あずさ達のように特別講習や自主勉強をする人など…大学には案外、人の姿がある。
【やっぱり11号館にきて】
3号館で彼を探していた3人は、数分前に送られてきたLINEを確認した。
『なんだ、場所変えたんだね…なんかいつもより3号館、人多くない?』
梨々子が言う側で、すれ違う女の子達の話し声が聞こえた。
『どこ行ったんだろう?もう帰っちゃったのかな?!』
『すっごいイケメンだったんだって!あたしも見たかったのに!』
『どこの学部か分かんないって。ウチの学生じゃないのかな?あ〜ん見たかったぁ〜!』
口々に放たれるイケメン情報…
あずさは嫌な予感がした。
『ねぇ、まさか…浩巳くんのことかな?』
芽衣が話した途端、また別の女の子が近くで声を挙げた。
『ねぇねぇ!さっきの子、11号館いるって!行こうよ!』
『『『……』』』
『あずさ、急げっ!』
梨々子に手を引かれ、3人は11号館へ急いだ。