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嘘つきな唇
第1章 出逢いは突然に
『……ルウ……
甘えていいよ……』
……私は……
自然と自らルウを、抱きしめて居た……
……そして私は……この時、
ルウに対する、
自分の気持ちを、
認識した……
……私は……
ルウの事が好き……
……その事が……
今はっきりと解った。
異性に出逢って、
こんなに最短時間で恋に落ちたのは、
何年振りの事だろう。
5年間付き合って居た元カレでさえ、
こんなに早く、
恋に落ち無かった。
……やがて……
二人に優しい時間が流れた……
……ルウは……
ただそっと私を、
抱きしめてるだけでそれ以上は、
求めて来なかった。
『……雪奈……
有り難とう……』
と言うとルウは、
私から体を離した。
……きっと……
何かあったのだろう。
……ルウの……
涼しげなブルーの、瞳が悲しい色に、
染まっていた……
……私は……
こんな時なんて、
言葉を掛けていいか解らなかった……
……私は……
ここに居ていいの?
……私は……
ルウに対して何を、してあげられるのか……
……ルウの……
こんな顔は見たく無い……
……優しい瞳で……ルウには笑って居て欲しい……
『……ねえルウ……私やっぱりもう、
帰った方が?』
『……なんで……』
『……だって……
なんかルウ、
元気無い……』
『そう思ったら、
雪奈が癒やして……』
『……え?……
ルウ……』
『……なんて……
嘘だよ!冗談♪
マジでなんでも無いから居ていいよ?』
『……でも……』
『……や……
むしろ居て?……』
『……ルウが……
そう言うなら……』
『……サンキュ……雪奈……』
そう言うとルウは、私の頭をポンと、
軽く叩いた。
『……ルウ……
彼女とかここに、
来たりしないの?』
『……雪奈……
やけにそこに、
こだわるねえ♪』
『……だって……』