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嘘つきな唇
第1章 出逢いは突然に
『……雪奈……
手握ってていい?』
『……ルウ……
い、いわよ……』
……ルウは……
それからずっと、
私の右手を握って居た……
……私は……
ルウに握られてる……右手が熱い……
……そう……
熱くて熱くて……
……ルウに……
私の気持ちが、
伝わってしまうんじゃ無いかって……
……それだけが……怖かった……
……私の……
気持ちはけして、
ルウには……
伝えてはいけないと思っていたから……
……ルウには……
きっと大事な恋人が居ると思うから……
『……コラ!……
ゆーきな!また、
何か考えてる…?』
『……え?……
な、何も。
ルウはカッコイーなって!』
『嘘つき雪奈!
解るよ、雪奈が何か考え事してる時は♪』
『……え?……
どうして…?』
『……だって……
すぐ黙り込むし。』
『……え、と……
す、すみません。』
『……何?……
彼氏の事でも、
考えてた…?』
『……まさか……
彼氏なんて私、
居ないもの……』
『……嘘?……
雪奈居ないの?俺、絶対居ると思ってたよ?』
『残念ながら……
居ません……』
『……そっか……
変な事言って、
ごめんね?』
『……別に……
いいけど……』
……そして……
車を走らせる事、
40分。ようやく、
目的地の海に、
辿り着いた。