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~罪の天秤~
第9章 最後に下された制裁
次の日、大学へ向かった私と雄二を待っていたのはタカシくんと渡辺雪菜だった。
「あんたのせいで……っ、私がどんな目に合ったか……っ!」
怒りを露にする彼女に私はにっこりと笑いかける。
「気持ち良さそうにしてたけど、違ったかな?」
その言葉に渡辺雪菜が真っ赤になった。
不思議そうに私と渡辺雪菜を見つめる雄二。
実はまだ雄二には何も話していない。
昨日の夜はそれどころじゃなかったし。
「タカシくん、話が違うんじゃない?」
「ん~俺には従順なんだけどなぁ、ね?雪菜さん?」
びくん、と体を震わせる彼女に、私は笑いをこらえた。
私と雄二が通うこの大学は高台にある。
坂や階段が何ヵ所かにあり、結構急だったりする。
そんな私のすぐ後ろも階段だ。
「あんたのせいで…っ、あんたのせいで…っ」
近づいてくる渡辺雪菜。
前はあんなに怖かったのに、今じゃ彼女が小さく見える。
「じゃあ私を虐めなければ良かったのに」
口元だけを引き上げて薄く笑った。