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~罪の天秤~
第9章 最後に下された制裁
「も……しかしてそのためだったって言うの?」

彼女の問いには答えず笑ったままだ。

「そ、そりゃ私も悪かったわよ!だけどここまですることないじゃない!私がやったことなんて……っ」

「やったことなんて?大したことない?……あなたに罪の重さがはかれるの?」

加害者と被害者の気持ちなんてこんなもんだ。
やってるほうは遊びのひとつかもしれないが、やられたほうはたまったもんじゃない。
だけどこれが現実だし人間だ。

「ゆ、雄二っ……この女はねえ!」

指を差された瞬間に左足がかくんと階段を滑り落ちる。

「きやあああああっ!」

これは誰の悲鳴?
渡辺雪菜?それとも近くを歩いてた大学の生徒?
どちらにしてももう私には関係ない。

遠くで聞こえてくるのは雄二の声とサイレンの音。

これでいい。これでいいんだ。
これで雄二は私のもの。




私が犯した罪の制裁は私が受ける。





END

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