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~罪の天秤~
第6章 私は新たな罪を犯す
「…そろそろ、する?」

「いいっすけど、もっぺん確認させてください。ホントに彼氏、いないんですよね?」

タカシくんは私の肩を掴みベッドに押し付ける。

「ん、いないよ?」

「じゃあ俺と付き合っても問題ないですよね?もう…ああいうの嫌なんです」

泣きそうなその表情は怯えた野良犬のようだった。
二人の間に起こったことはよく分からないけど、タカシくんにとっては割り切れることではなかったらしい。

「いいよ?付き合お?こういう始まりかたもありじゃない?」

「……良かった」

冷たい私の唇にタカシくんの温かい唇が合わさった。
私の目的は雄二と付き合うことじゃない。
渡辺雪菜と雄二を引き離せればそれでいいのだ。

躊躇いがちに唇が割られ舌が侵入する。
雄二のような強引さはなく、どちらかといえば遠慮がちな愛撫だ。

だけど丁寧に口腔内を蹂躙するその舌に、私は体の奥が疼くのを感じた。


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