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~罪の天秤~
第6章 私は新たな罪を犯す
「適当に座ってて下さい。今コーヒー入れ…あ、コーヒー飲めます?」

「うん、ミルクだけ入れてもらえれば」

「うぃっす、了解です」

私は部屋の真ん中に置いてある黒のローテーブルの前に座った。
男の人の部屋に入るのは元カレ以来で何となくきょろきょろしてしまう。
雄二は実家だったから入ったことなかったし。

「そんなに見なくても変なものは置いてないですよ?」

私の部屋より狭く感じるということは6畳くらいだろうか。
テーブルのすぐ後ろにはベッドがあり、もたれることができるくらい近い。

「エロ本とかないの?」

「ないです!どういう期待をしてるんすか!」

「じゃあ女の痕跡とか」

「残念ながら、女の子を家にあげるのは初めてです」

え、今何て?

「雪菜さんは家に入りたがらなかったから。ボロいでしょ?ここのアパート」

「部屋はわりかし綺麗なのにね」

外見だけしか、外面だけにしか興味がない。
それはあの子の本質に見えた。
タカシくんに同情しそうになる気持ちを抑えて私は彼の腕に手を延ばす。




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