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~罪の天秤~
第7章 重ねる罪の覚悟
「どうした…の?」
一人佇む雄二の顔は明るいとは言い難かった。
それは私の顔を見ても変わることはなく、無言のまま立ち上がる。
「鍵、貸して」
それが家の鍵であることは何となく分かった。
コートのポケットにしまっていた鍵を出し雄二に渡す。
「彼女は……大丈夫なの?」
「今日は実家で母親の誕生日を祝うんだって。あいつの実家、県外だから大丈夫」
「そう、なんだ……」
雄二は一体何の用事で来たんだろうか。
あの夜以来、学校で会っても一切話さずお互いに避けてたというのに。
それは渡辺雪菜がどこで見てるか分からないっていうのもあったけど、私に関してはそれ以上に自分の気持ちに整理もつけたかったから。
私が自転車を片付けていると雄二のタンタンとコンクリートの階段を歩く音がした。
時間差で階段を昇り201号室のドアを開ける。
「先に謝っとく。ごめん」
鍵をかけた瞬間に後ろから抱き締められた。
何が……何があったんだろうか。
渡辺雪菜とケンカでもした?
でもそんなことくらいで雄二が私のところに来る?
例え彼女が県外にいるとはいえ誰に見られるか分からない。
そんなリスクを犯してまで一体どうしたって言うんだろう。
一人佇む雄二の顔は明るいとは言い難かった。
それは私の顔を見ても変わることはなく、無言のまま立ち上がる。
「鍵、貸して」
それが家の鍵であることは何となく分かった。
コートのポケットにしまっていた鍵を出し雄二に渡す。
「彼女は……大丈夫なの?」
「今日は実家で母親の誕生日を祝うんだって。あいつの実家、県外だから大丈夫」
「そう、なんだ……」
雄二は一体何の用事で来たんだろうか。
あの夜以来、学校で会っても一切話さずお互いに避けてたというのに。
それは渡辺雪菜がどこで見てるか分からないっていうのもあったけど、私に関してはそれ以上に自分の気持ちに整理もつけたかったから。
私が自転車を片付けていると雄二のタンタンとコンクリートの階段を歩く音がした。
時間差で階段を昇り201号室のドアを開ける。
「先に謝っとく。ごめん」
鍵をかけた瞬間に後ろから抱き締められた。
何が……何があったんだろうか。
渡辺雪菜とケンカでもした?
でもそんなことくらいで雄二が私のところに来る?
例え彼女が県外にいるとはいえ誰に見られるか分からない。
そんなリスクを犯してまで一体どうしたって言うんだろう。