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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
―――ようちゃんに可愛く思われたい。
女なら誰だって――大好きな男性に素敵な姿を見せたいんじゃない、かななんて思う華子で。
初めての花火デート。
浴衣でそれは華子の少女の頃からの淡い憧れだったから尚更。
白地に水色と薄紅の紫陽花の柄の浴衣は、呉服屋で反物で見せられた時に華子がひとめぼれしたものであった。――その生地で仕立てた浴衣に赤い帯を合わせれば素敵だろうなと想像した。
実際に合わせてみれば、その姿は綺麗というよりは――可愛いという印象。
でも、身長が小さい華子のことを可憐に見せてくれていると思いたい。
でも―言い換えれば幼く見えるということでもあり、しっとり大人っぽい印象ではなくて。
―――ようちゃんの好みじゃなかもしれない。