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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
―――もしかして、似合ってないのかなぁ。
陽輔に可愛いと思ってもらいたくて時間を掛けて頑張って支度した華子だったが、浴衣姿の華子の姿を見た陽輔からは特に何の反応もないまま、そのまま何も言わずにリビングへ戻ってしまう。
洗面所の壁に掛けてある熱帯魚を模した防水用の時計。
その少し間抜けな顔した魚の時計に目をやれば、既に午後7時を過ぎていた。
明日が夜勤の初日の陽輔。
もしかしたら今日は明日に備え、早く帰宅し躯をゆっくり休めたいのかもしれず、
華子が特に花火大会に行きたいとチラシを貰ってきたくせに、仕度に時間が掛かり過ぎてしまい、家を出るのが遅くなってしまっていることに陽輔が気を悪くしているのかもしれなかった。
でも、“惚れ直した?”そう言った陽輔の口調は怒っているものではなかったし、なら、やっぱり似合わないのかな?……なんて。