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だ〜いすき!
第2章 熱に溺れて…七夕の願いごと

姉が20歳、自分が14歳の時に亡くなってしまった父親。

大好きだった父に自分の花嫁姿を見せることは叶わなかったけれど。

生きていたら、きっと。
その馴初めや急ぎすぎた結婚に反対されたかもしれないけれど、最後にはきっと喜んでくれていた筈だ。


須藤華子から橘華子なって…初めての父の命日がやって来る。

その命日まではあと数日に迫っていた。



―――それにしても今年は暑い。


洗濯物は良く乾くけど、夕方にはひと雨欲しいななんて思いながら、額から流れ落ちる汗を手の甲で拭う。


「もう、華ちゃん!貴女、帽子も被らないで…。」

「大丈夫!大丈夫!頑張ればすぐに終わるから!」

(何だか…気持ち悪い。最近たまに目眩がするんだよね―――早く終わらせてしまおう。)


母の言う通りだ。

(帽子…被ってくれば良かったな。)

そう思った華子であったが、作業は終わりに近づいていてもうすぐ終わるから、大丈夫。

そんな風に軽く考えていた華子は、多少の不具合は我慢し、下を向いて作業を続けてしまう。



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