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だ〜いすき!
第2章 熱に溺れて…七夕の願いごと


「早いもんで、お父さんが亡くなってもう10年だわね…。本当にあっという間だわね…」

「うん、そうだね。」


墓の周りの草取りをしながらの母の言葉に、華子は頷きながら、墓石をたわしで擦って汚れを落としていく。


「本当…。色々あった10年だったもん…。
でもお盆だしお父さん帰ってくるね。」

「そうね。今年は華ちゃん結婚したし、お父さんも張り切って帰ってくるんじゃない?
華ちゃん、13日は陽輔さんの実家で過ごして14日はこっちに顔出すんでしょう?
お婿さんと一緒のお盆は初めてだもの。
お父さんお酒好きだったから、一緒に飲むのきっと楽しみにしているわねぇ。」

「お父さん、そば焼酎好きだったもんね。日本酒の産地なのに、何故かそば焼酎。」

「いいじゃないの。好きなお酒を気持ち良く呑めるって幸せなことよ?」


母は時々まだ父が生きていて、そこにいるような物言いをする。

母にとって、父はいつも側にいて見守っていてくれている存在なんだろう。

母が肌身離さず身に付けているペンダンド―…。
そのロケットには父の写真があることを知っている華子であった。


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