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第3章 花火大会の夜は切なくて

「…やぁぁ、っあん」
　

　華子の口元から漏れる喘ぎに、陽輔は楽しそうに手を滑らせ続けて。一番疼いている場所を避けるように脚の方に躯をずらすと、左くるぶしに口づけを落とした。
　
　
「お菓子みたいだね。」


　そう口にした陽輔は、華子の足首をつかんで少し持ち上げると舌を滑らせ。足の指、一本一本にゆっくりと舌を這わせて。丸めた舌先でつついたり、指と指の間のくすぐったい場所を丁寧に舐める。
　

―――足の指なんて…汚いから…舐めちゃ…ヤダ
　

　恥ずかしいはずなのに…、ゾクッとした。

　くすぐったい場所な指と指の間も、舌が上へ下へと動かされるたびに腰が跳ねる。
　羞恥でイヤイヤと首を振るのとは裏腹に、陽輔のねっとりとした舌使いに足の指からビビッと電流が走り、真っ直ぐに快感は華子の子宮へと伝わっていく。

　
「あっ…あぁ…ん…ダメぇ」

　
　お腹の奥の方がジンっとして、トロリと蜜が降りてくるのが解る。
　ひやりとした感触――布が濡れた感触を秘部に感じてしまえば、ショーツはぐじょぐしょになっているに違いない事実。
　
　手首を縛られてしまったとはいえ、ようちゃんの態度―――その行為は決して乱暴では無かった。乱暴どころか真綿でくるむように丁寧な愛撫に、華子はもどかしさを感じてしまう。



―――なんで触ってくれないの？