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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて

 髪留めが無くなって、少し乱れてしまっていた髪の毛―――それは華子に何かが起こったことを物語っているのに、沈丁花の優しい香りと、その柔らかな躯で俺の理性をズタズタにしておきながら、当の華子は心配しすぎだと俺に向かって無邪気に笑う。
 
 俺に心配を掛けまいとしての行動だろう。しかし、俺にとって、それはやさしさなんかでは無く――自分の無力さを痛感させられただけだった。
 
 もしかしたら、修司にばったり会って触れられたんじゃ無いか。たまたま花火大会の人混みで連れ去られることが無いまま事なきを得ただけじゃないのか―――。それを俺に隠してるだけなんじゃないか。

 そう思えば、その華子の無邪気な笑顔に…腹が立った。
 
 待たされたことよりも、余りにも自分の事に無頓着過ぎる華子に、油断しているとこんな目に合っても仕方ないんだ――そうわからせる為に俺は…。


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