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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて

 
 “誰とも会ってない”
 

 華子の口から咄嗟について出た言葉は嘘だった。 
 
 華子は少なくとも陽輔の言う意味での嘘はついてはいないけれど、口にした言葉は、華子の空白の時間を言い表すには言葉が足りな過ぎるし、嘘が混じっているのだ。
 
 ……陽輔の瞳の奥の不安を安心させたい。
 ……疑いを晴らしたい。
 
 “誰に会ってたんだ?”と陽輔から言われたことに対して咄嗟にそう言い繕ってしまった華子だったのだけれど――…。
 
 口した後で、華子は凄く後ろめたい気分に襲われるのだ。
 そんな自分を陽輔に見透かされているような気がして。そんな嘘をつくことで、かえって陽輔を不安にさせてしまうような気かして、真っ直ぐに陽輔をみることが出来なかった。



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