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だ〜いすき!
第2章 熱に溺れて…七夕の願いごと

眠りが深いのだろう。白い布団に隠れた胸が規則正しく上下している。


「……よう…ちゃ…ん。」


その少し開いた唇から密やかに漏れた自分の名前にドキっとした。

義母が言っていた言葉。
――ようちゃんって、貴方の名前を呼ぶの…
その言葉を思い出して、
“俺はここにいるから”そんな気持ちを込めて華子の小さな手を陽輔はそっと握る。

眠りながら囁くように陽輔の名を呟いた華子。
その顔は幸せそうに微笑んでいる。


――― 一体、うちの眠り姫はどんな幸せな夢を見ているんだろう…。


青白い顔色は華子を白い花の様にみせていた。

そんな華子の口から零れ落ちた己の名前に、陽輔の心に愛しい気持ちが込み上げて来る。

華子の見ている夢の中。
その幸せな空間に、自分も存在していることが陽輔には嬉しくてたまらなかった。


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