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だ〜いすき!
第2章 熱に溺れて…七夕の願いごと

華子を抱え上げたまま、陽輔は看護師に礼を告げると処置室を後にした。

夏風邪が流行っているのだろう。
救急外来の待合室には診察の順番待ちをしている親子連れの姿が数人見えた。

陽輔は、処置室を出てその患者を横目に待合室を通り抜けると車へ向かう。
自分が視線を集めているのがわかったが、
早く華子を家に連れ帰りたい気持ちの方が強い陽輔には、恥ずかしいと言う気持ちは不思議となかった。


―――ふっ…。恥ずかしがり屋の華子だったら…耐えられ無かったかも知れないな。


陽輔の腕のなかで幸せそうな微笑みを浮かべて、静かな寝息を立てている華子。


「俺の眠り姫。ゆっくりおやすみ。」


―――まったく…。キザだな。俺。

陽輔はそんな一人言を呟いて、1人くすりと笑うのだった。


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