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第3章 ～バレンタインデー編～

「なんだよー、呼び出したりして、なんか用事でもあんのか？」

「べ、別に……」

「じ、じゃ、帰るぞ」

「ちょい待ち……ハイ、今日は何の日でしょう？　」

「し、知らねえよ」

「まったく、これだからあんたって男は……かわいそうだと思って、あげようと思ったのに……どうせ、誰からも、もらってないんでしょ？」

「な、なにをだよ？」

「チョコよ、チョコ」

「ああ、チョ、チョコね、チョコ……う、うん、もらってない、もらってない……」

「……ん？……なんかおかしい……」

「な、なんだよ」

「普通なら、チョコのひとつやふたつ、どうのこうのって強がるくせに……おかしい……はい、ホールドアップ！」

「やめろよ！　なにすんだよ！　あっ！」

「あ、なにこれ？」

「なにこれって……見りゃあわかるだろ？　チョ、チョコだよ……」

「あんた、買ったの？」

「バカか、今日チョコ買う男がいたらアホだろ？」

「もらったの？」

「あ、う、あ……ああ……」

「へえぇー、びっくり……あんた、彼女いたんだ？」