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あたかも普通の恋愛小説
第15章 秘密の花園
「なんで母親のおかげ?」
郎太が腑に落ちない顔でぶっきらぼうに問う。
「今の郎太の考え方や感じ方は、お母さんたちがいたからこそ培われたんでしょ?そうでなかったら郎太も今まで散々私を弄んできたひとたちと同じになってたかも」
ちょっと大袈裟に言うと郎太はクスリと笑った。
「じゃあ俺も今まで小鳥を散々弄んできた男たちに感謝しないと。特にあの時の薬盛ってきた最低な奴」
「えーっ!?」
「あの時、小鳥が俺にキスしてなかったら、今も遠くからただ可愛いって思ってるだけだった。盗み撮りした画像見てるだけで満足してた」
私の記憶にないキス魔事件。それはベッドに運ばれる際、寝惚けた私が郎太のファーストキスを奪った出来事。私は赤面した。せめて記憶にあったら良かった。
「俺、あのあとしばらく小鳥のことで頭がいっぱいで研究とかぜんぜん手につかなくなって」
「っ……ご迷惑を、」
最後まで言わせてもらえず、降り注ぐキスの雨に溺れる。
「迷惑なんか」
「うん……大好き」
いっぱいいっぱいキスして。夢みたいに愛されて。相思相愛を噛み締める。