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あたかも普通の恋愛小説
第16章 天国と地獄


高多さんはキビキビさっさか、テキパキ動いて俺様気質。いつも会うのは成績不振者がダメ出しをくらう研修でだから、何となく怒られてる気分になる。いや、まだ怒られてないけど。

色白で黒髪、知的な切れ長の目を光らせ眼鏡越しに笑われると背筋が凍る。怒るとき笑顔なのよ、勘弁してほしいわよ。


「今回の仕事、ちゃんとできたら。特別に誉めてやる」

「いえ、普通でいいです」

「一流ホテルで豪華ディナーとかどうだ」

「だからそういうのいらないです」


豪華ディナーのあとのオプションとか特にいらないです。


「お前、いつからそんなガードかたくなったよ」

「誉めてください」


あと奥さん大事にしてあげて。


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