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あたかも普通の恋愛小説
第16章 天国と地獄
「これは波島。女でも何でもないうちの社員だ。お前らは波島の指示に従いつつ全力でサポートしろ。お客に尽くす、が仕事だろ」
高多さんが鬼口調でうっすら笑うと、自称魔法使いの三人は沈黙した。
「…よ、よろしくお願いします」
おどおどと気まずい挨拶をして三人の顔色を伺う。想像してたのと何か違う。けれど無造作に辺りに置かれている下着に目がいくと私は思わず呟いた。
「わぁ。これカワイイ。皆さんが作った作品ですか?」
「作品て…。そこは商品っていうだろお前」
高多さんの即座のツッコミにもへこたれる気分にはならなかった。
「だってすごく繊細で、なんかまるで芸術作品ぽいじゃないですか」
究極のエロカワイイを体言してるようなそれには、商品っていうと逆に安っぽい気がして。ひとつひとつ手にとって細かいとこまで感心して見ていると、やがて魔法使いAさんが、何か話しかけてきた。
ゴニョゴニョと言われて「何ですか?」と聞き返しちゃうレベルの何かを。
「それはまだ試作段階で」
「そうなんですか。完成度高いですね」
何だかムスっとして怒っているようだけど、特に気にせず下着の観察を続けると魔法使いBがあからさまにソワソワとしだした。
「へぇ。こんな素材もあるんだ。ふんわりして気持ちいい」
「それは俺の!見ちゃ駄目!」
「何でですかー?ケチケチしないで見せてくださいよー」