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あたかも普通の恋愛小説
第7章 メディスン
ドキドキしながら、ボタンを外しただけの恰好で胸元に手がいく。
「隠してたらみれないよ」
「あぁはい、す、すみませんっ」
完全に動揺してる私。ぎこちない動きで手を下ろす。これで真壁さんの目には下着が丸見えなはず、です。
しばし沈黙。真壁さんの顔は見る勇気がなくて視線をそらしてた私もいささか不安になって真壁さんを見た。
「……真壁さん、?」
「あぁ、ごめん。――辛かったろうな、って思って」
ハッとしたようにまた動き出した真壁さん、見ればブラの周りで指のあとがわかるくらい所々内出血した自分の胸に、
「きゃっ、なにこれひどい!?」
ショック。
胸に内出血なんて。しかも指のあとなんて。そんなのを真壁さんに見られてるなんて。
今さらながら、ショックで足が震えちゃう。怒りとか恐怖とかわからないけど、とにかくショック。軽く取り乱す私に真壁さんが手を握ってくれた。
「大丈夫だよ。もうここにはそんな乱暴する奴はいないよ」
目からポタポタとまあるい滴が落ちちゃって、自分でもびっくり。
「ごめんなさい、驚いちゃって」
乳首は痛かったけど、まさか乳房までこんなことになってるとは思ってなかった。
「すいません、気持ち悪いものをお見せして…」
あちこち鬱血した胸はあまりにも見栄えが悪くて。早く隠してしまいたかった。
「痛いのは胸全体?」
「い、え……多分、あの」
まごついた私を気遣うように静かな態度で。そっと背中に手をまわした真壁さんが「外すよ」ってホックに手をかけた。私はギュッと目を閉じて、ブラの締め付けがなくなるのを感じた。